卒業生の研究成果が ACS Omega に掲載されました!

2025年3月に当研究室を卒業した櫻井廣祐さんの研究成果が ACS Omega に掲載されました!

Parasitisterols A–C, 24,25-Dihydroxycholestane-Type Triterpenoids, from Oomycete Fish Pathogen Saprolegnia parasitica

Takehiro Nishimura, Kosuke Sakurai, Takayuki Yonezawa, Haruhisa Kikuchi

DOI: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsomega.6c01315

 植物や微生物から得られる天然化合物は、これまで創薬研究に大きく貢献してきました。しかし、探索研究が進展した現在では、新規性の高い骨格を有する化合物の発見は次第に困難になっています。そこで本研究では、従来あまり注目されてこなかった微生物種に着目し、新たな天然化合物の探索を行いました。

 本研究で対象とした「卵菌」は、名称に「菌」と含まれるものの、一般的な菌類とは系統学的に大きく異なる微生物群です。中でも Saprolegnia parasitica は、養殖魚に感染症を引き起こす重要な病原体として知られている一方で、天然化合物の探索研究はほとんど行われていませんでした。そこで本菌を用いて探索研究を行った結果、新規コレスタン型化合物である parasitisterol A–C の単離および構造決定に成功しました。

 本研究の成果は、卵菌が新たな天然化合物の供給源となり得ることを示すものであり、今後の天然物創薬研究への展開が期待されます。


西村

慶應義塾大学 薬学部 天然医薬資源学講座

Division of Natural Medicines